2020-12-25 ■ 夢の中で咲く大輪の青い花 真っ暗なトンネルの中で、遠くに点のように見えていた景色があっという間に拡大され、眩しい緑の山道に出る。それを眺めている間、僕はずっと何かを考えていた。しかし考えているという感じはあるのだが、具体的に何を考えていたわけでもなかった。 僕は道でその人に会って、ふいに挨拶をした。 「随分久しぶりだね。こんなに長い間、どうしていたの?」 いや、僕はその人に会うわけがなかった。なのに、僕はそれを疑うこともしない。