2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

僕はそこに出かけていかなければならない。シャワーを浴びて髭を剃り、髪を乾かして、服を身につける。鏡の中の自分の顔を見る。あまり気が進まないな、と思う。しかし、最低限、乗るべき電車の時間のことを思い出す。窓の外は曇っている。家には僕の他に誰…

風呂場にいる僕は湯船に身を横たえている。僕は強く目をつぶり、眠ってしまっているように動かない。窓からは昼時の白い光が射し入っている。僕は立ち上がり、立ったままシャワーを浴びる。僕はこういう体をしているのだな、と思う。体型はがっしりしている…

脂肪内臓ペソ

病院

〔A君がいる病室に私は言って、ベッドの中にいる彼としばらく話す。A君のことは子供の頃から知っていたけど、高校生になって、こんな風に自分が考えていることをまとめて話すのを聞いたのは、初めてだった。〕 ……もし一つの部屋に生まれて、永遠にそこから出…

郵便受けみたいなとこからしわしわの手が出てきて、何かを求めるように虫みたいに動きまくっている。僕は、「昨日、でかい蛇が庭に出る夢をみた。懐中電灯で草むらのそいつを照らした」と書いてある紙を持っていて、それを丸めてその手に渡す。手は満足して…

神様が知らない言葉で言う。xxxxxxxxxと。その声はぶつぶつとして聞きとれない。でも僕はそれが本当に懐かしくて、それが僕が本当にほしかったのものだとわかる。それを聞くまではそのことについて、まるで忘れていたし、知りもしなかったのだけれど、その不…

虹彩。 夢をみる。 世界像。 赤や青。 小さい人。 愛や絶望。 喫茶店。 新聞。 拡大されたイメージ。 シンプルさ。 遠く離れてしまう。 決別。 雪。 雨。 ドア。 家屋の木の匂い。 懐かしい。 コーヒー。 コーヒーを飲む。 暖かい格好をした。 銃殺される映…

逃げろ 逃げるんだ 記憶の深部に流れる、冷たくてきれいで、緑にあふれ、静かなせせらぎを立てる川。そこには釣り人がいて、僕たちは橋の高いところから、そうした人たちがそこにいるのを眺めている。彼らの顔は識別できない。若者もいれば、年老いた人もい…

手を上げて話す少年 街に雨が降る 支配される 輪島。インコ。車。動物園。芝生。パーキングエリア。でたらめ。継続。実行。数値。破壊。めんたいこ。コブラ。ビームス。ドラクエ。ローリエ。プーマ。ジグゾーパズル。おっとせい。ビスケット。人望。名声。裏…

穴を掘る男 コップの上を走り回る

グラウンドの砂の上に何度も頭を打ちつける。上から靴で足踏にされていて、まるで人間を扱う様ではなく容赦がない。あまりにも激しい圧迫されるような痛み、時間が止まるような痛みによって、僕は今という時間を失っていく。頭蓋骨が砕け散って、破裂した風…

『仏像』

深夜、その不思議な音に誘われるように僕は、三男坊の部屋へ入っていくと、光輝く仏像がそこに鎮座していた。背丈は膝ほどの高さだった。光は白く、青みがかっていて、神聖な感じがした。仏像の眼は金色の輝きを放っていて、僕は状況がよく分かっていなかっ…

ある男がいて、僕はその時夜の公園のベンチに座っていたのだが、男はスーツを着ていて、胸の辺りを僕の両膝の上に乗せてうつ伏せで寝ていた。彼は少しも動かず、また大して重くもなかったために、何か大きな袋のような印象を僕に与えた。 季節は夏で、夜は過…

ビール瓶をふーふーやって風の音を立てる。 真っ暗闇に上がる金色の花火。 とにかく色とりどりの眩しい閃光を放つ花火みたいな光。 赤い首輪でつながれて、じっとこっちを見ている白い犬。 マクドナルドでハンバーガーを食べる。窓の外の高いビルでクレーン…

引っ越し屋のスタッフが両側から荷物を吊って、マンションの階段をゆっくりしたペースで運んでいく。こんなふうに魂が運ばれていくんだな、と思う。何となく眠い。 子供たちは駄菓子屋の前に自転車を停めて集まり、甘辛くて手がベタベタになる20円のイカのお…

夢の中に深い森が出てくる。その入口近くで子供たちが遊んでいる。大人の僕はそばに行って、両手の中にきらきら光る金色の何かを持っている。子供たちがそれに向かって集まってくるとき、彼らの独特の匂いや温かさを感じる。夜は風が吹いて、耐えがたいほど…

夜、布団入っているとき、ほとんど夢を見るみたいに、猫たちのことを考えた。猫はこの家の下の住宅街の夜道を、眼を黄色く輝かせながら、4、5匹でまばらに、互い違いに歩き、何かを探しているようであり、何かから隠れようとしているみたいでもあった。 僕は…

野球についての話。野球についてよく理解していないのに、野球みたいな遊びをしていた。その遊びについて、中学生の時の同級生の杉山ともきくんに話す。すると彼は野球をもっと知っているから、怪訝な顔をする。「DJって意味わかってる?」と彼は尋ねる。僕…