この青い部屋は霊のいる部屋のようだ。気配しかないのだけれど、確かに彼女はそこにいる。僕は金縛りにあったように、動くことができないが、動くことができないことを意識していない。

静かに、小さく、燃えている火のことを思う。

透明人間のように、気配だけが、この部屋で息をして、コーヒーを飲むそぶりを見せ、椅子に深く腰かけてつくろぐ。過去も未来もなく。

冬になると何かが楽しみになる。何が起こるわけでもなくても。