2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ナンセンスな言葉の中の侘寂

覗き見

尻尾を隠したそのヘビを見ていると、煩わしいような寂しいような気がした。その白いヘビは真っ青な空の中で急降下していた。 喉が渇いて、頭が痛くて、僕はこめかみを抑えていた。彼女がそばにいた。「ヘビが」と、僕は頭がどろどろする、寝起きの冷たい頭で…

幽霊の会話

おれさあ、昨日お前の心の中の家に行ってきたんだって。家なのに柱しかなかったじゃん。お前もおらんし。 何があったん、他に? 畳となんか古いっぽいテレビ。 勝手に入んなよ。 虫とかいたんじゃね? おらんわ、虫なんか。 虫はいなかったけど鈴虫の音はめ…

人間の顔が砂になって、しゃりしゃりと雨の降るような音を立てながら落ちていくのを見るのは、子どもに還ったように懐かしい。何かに夢中になっていたのか、ふと目を上げたときにそこへ停車していることに気づく駅。自分自身の意識と空間に変な仕方で焦点が…

そこは川原だ。 きれいな水が流れている。 冷たい流れに指を入れて、僕は小石を拾う。

人はそれを見つけるかもしれない

春の雨 風の音 何ということはない会話 木々のざわめき 薄い日の明かり 走っていくだからそれに何という意味があるわけでもない。 ただ生きているというか、それだけだよ。 そう、明日には帰ってくる。 明日の今頃はあっちにいると思う。 別に何ということも…

断念

俺はそこまでは思えん