雪女

いや、うーん。な、る、ほどな。まあそんなふうに、全体的にしか論じられない人はいますからね…、でも、いや、そうか? 別の角度から考えたら、むしろ分かるかもしれない。それってつまり、例えばこういう山があるとして、そこに何人登って、何人降りてくるか、みたいな話ですよね、小学生のころあった足し算引き算みたいな。いや、僕は数学はあまり得意ではなかったですけど、でも、小学校の算数くらいは…。だから100人山に登ったら、99人は降りてくるわけで、じゃ、残りの1人はどこに行ったんだ?と、多分、この人が論じているのは、こういう余りのことだと思うんですよね。これってでも、そうだな、うーん、僕はちょっとわっからないところがあるような気がするな。何というか、ちょっと、見てる角度が違うんじゃないかと思うし、あまり一般的な関心に沿ってるとは言えないですよね。僕だったら、勝手に凍え死ぬなりなんなりしてもいいと思うし、仮にそこでどんな野蛮なことが行われていたとしても、それって結局作り話の中の話でしょ?って当然なってくると思うし……。いや、そうなんですよ、そこがファンタジーだったら面白いと思うな。そういう、エロティックなファンタジー。だから、そういう雪山で、雪女と遭遇して……みたいな。これは寒い、いや、そう、文字通りで寒い展開だな…。でも古典的でいいじゃないですか。100-99=1。これは1人の人間というものの定義を変えますよね。1人だと思っていたら、その影にいなくなった99人がいるんだから。そして、そこで出会う雪女とのファンタジー。これはぜひドラマティックなものじゃなきゃいけないな。そう、絶対。まあ、でも、そう考えていくと……、なるほど。何だか僕もわかってきたような気がする。