基本的に、あらゆる物事は古くみえる。何度も同じことを繰り返してきたし、新奇なものなどそう生まれはしない。これは自分自身の経験についてもそうだし、他の人々も同じような経験を共有していて、またこれまでの歴史もそうなのだ、と思う。

一面これは事実だけれど、本当のことを言えば、今経験しつつあるこのあらゆる今というものは、その都度完全に新しいのだ、というのもまた正しい。

というか、この方が本当は正しい。

あらゆる瞬間が、前代未聞で、当然歴史上存在しなかった、新しい局面だと言える。

日常生活ではあらゆることを古く捉えることに慣れすぎている。手垢の付いていない、純粋に生成する今は、本当は驚くべきものなのだと思う。

この新しさというのはどういう質のものなのか?