サンタ

「いいか、よく考えてみて。サンタだって、何もないところからプレゼントを生み出すのは無理だろう。サンタはプレゼントを買ってるんじゃないか? でもそうだとしたら、どうやってお金を払っているのか? 世の中全部の子供のためにプレゼント代を払っていたら、サンタもお金がなくなるでしょう」

「サンタは工場を建てて、そこで作ってるんでしょ」

「でもプレゼントは大体その辺で売ってるものでしょう。それを完全にコピーしてるなんておかしな話で、だからサンタはプレゼントを買ってるんだよ。だから問題はどうやってそのお金を手に入れているのかということだ。君のような悪いやつにはプレゼントをあげずに、むしろお金をパクっていくんだよ。そのお金でみんなにプレゼントを買っているんだ」

「お小遣いを金庫に入れとくから」

「無駄だよ。サンタはその辺はプロだから」

「じゃあプレゼントがなくて盗まれてたら、先生のせいだって警察に言うから。お前、逮捕されるぞ」

「言ってみな。俺はサンタに通報しておくだけだから、罪なんてないけどね。こいつは悪さばかりしているから、プレゼントはマイナスにしてください。反省させてくださいってね。警察もむしろ、しょうがないって言うはずだよ」