人の夢

Kは猟銃を持っていた。銃など扱ったことはないが、ここでは彼は立派な猟師だった。夕暮れの涼しい風が吹き抜ける。ここまで彼を導いてくれ、銃も手渡してくれた気のいい少年の合図があると、木々の影から鳥が一斉に飛び立った。Kは銃を撃ち放ち、二、三匹の鳥が地に落ちて行った。それらを取りに行こうとすると、地面が急に波打つように大きく揺れた。

Sが目を覚ましそうなんだ。銃声があまりにもうるさかったから」と少年が耳打ちした。そのとき、すでに二人は早足で歩いている。撃ち落とされた鳥は地面の上に並んで横たわっていた。カラスだった。死んだばかりだと言うのに、すでに悪臭を放って虫が沸いていた。Kは不気味だと思ってそれらを持ち帰らなかった。

翌日学校でSと会うと、彼の顔に黒いぶつぶつの斑点が出ているのを見て、Kは驚いた。誰もそれをSに指摘するようではなく、Kだけが気味悪がっていた。その夜寝ると、またKSの夢の中にいて、猟銃を持っていた。昨日いた少年はすでに森の開けた広場にいて、一匹の豚を連れていた。

「こいつは聖なる豚だ」と少年は言って、「今日はこいつを殺そう」と提案した。

Kと少年は夕陽の中で、一発ずつこの豚を銃撃した。見る間もなくこの聖なる豚は死んでしまった。

明くる日はKSと長いこと遊んでいて、門限を過ぎても遊び続けた。それはSがいつになっても話すのをやめなかったからで、Kは夢のことを聞いてみようかと思ったが、何もそれについての話は話題に上がらず仕舞いだった。

しかし、夕飯の時間も過ぎた頃に、Sは顔つきを変えて、実は今日こうしてずっとここにいたのは、あるものを見てほしかったからだ、と切り出してきた。Sは公園の隅の茂みにあった、ベンチの裏へとKを連れて行った。すると、そこには何か大きな動物めいたものがいて、背中を丸めていた。軽くその体を棒切れで小突くと、Sは持っていたパンをこの生き物に与えた。それはどうもかなり年老いているらしい人間で、頭がおかしくなっているようだった。髪が長くどろどろと汚れていて、ひどい臭いがした。この男は実はシャーマンであり、一切れのパンを食べると、KSに呪術の一つを披露した。その結果、彼らは全宇宙と一体になった。