聖なる世界

だるい。この感じ。十分寝ているはずだけど、だるい。旅先だとよりだるい。みずみずしい気持ちでいられる肉体でいたいな。そう思う。健康にはこれまで以上に気をつけよう。もっと走ろう。もっと長く走ろう。食事もそうだろう。彼女はヘルシーな食事が好きだから俺もそれにあやかるべきだ。

茶店であんみつを食べる。僕は食べない。ここのコーヒーは濃い。前に飲んだあのコーヒーと似てると言う。ものすごくきついコーヒー。サルタヒコだっけ。それは違うかな。とにかくあなたがぎんぎんに効いちゃってあとで気持ち悪くなってさ。ね。あったよそういうこと。

目を開けるとくらくらする、と言うのとも違う。時間がわからなくなる。いや、時間がわからなくなるわけがない。時計はある。天井は何というか、重厚なつくりで、模様は呪術的だ。そうじゃない。世の中の模様について大して知らないから、呪術的にみえるんだろう。それにしても、模様というのは変だ。誰がこういうのを考えるんだろうね。誰が考えたというわけでもないのも多いだろう。

夢の中にいるみたいだけど、夢にいるわけじゃないってことはわかっている。人間は主観の檻の中に閉じ込められている。人間は主観の檻の中に閉じ込められている。だからそんなことを考えたって他人にやさしくできるわけじゃないんだよね。変に内省的になったりするのは自分のことしか考えられなくなっているときでしょう。それは思想じゃなくて幼児退行というかさ……。

俺はちょっと顔を洗いたいな。ちょっと顔を洗いたい。でもやっぱりどっちにしても少し歩き疲れてしまったな。つまらない思いをさせてごめん。そうやって謝ることもごめん。でも僕は少しでも人としてよくあれるようになりたいと思っています。