風呂場にいる僕は湯船に身を横たえている。僕は強く目をつぶり、眠ってしまっているように動かない。窓からは昼時の白い光が射し入っている。僕は立ち上がり、立ったままシャワーを浴びる。僕はこういう体をしているのだな、と思う。体型はがっしりしているが、肩はやや丸まっている。

 

(それと同時に)

 

居間にいる僕は低いソファに肘をついて、ほとんど横に寝ている。風呂場に入っているのと同じ時間の日射しが射し込んでいる。下から見上げるようにしてテレビを見ているのだが、そこに映っているのは何なのかわからない。何か赤い、波を打つ内臓のようなものが、解像度の低い映像の向こうに流れているのかもしれない。音声も聞こえるが、漫才か何かのようにせわしなく、でも、それもモゴモゴとした音で、何を言っているかよくわからない。

 

僕が洗面所で体を拭い、廊下を踏む、きっ、という音が聞こえる。そしてそれから僕たちは出会うことになる。(それは死ぬことを意味すると思う)