ドアが閉じられ、僕はそこにもう入れない。窓から明かりは見えているが、固く閉ざされた木戸の他には、中に至るどんな入り口もない。僕は走り、建物の周囲をめぐる。闇は段々深くなるようで、自分の手さえ見えなくなる。足元もすっかり溶けて消えていく。僕は涙を流し、頬も手もべたべたに濡れている。耳鳴りがして、サンタの鈴の音が聞こえる。それは楽しかった頃の思い出のようでもあり、死地に向かって僕を迎えにくる何者かの迫る音にも聞こえる。