人がまっさらな感情を抱いて、何かに挑もうとすること、何か別のことをしようとすることは、なぜ感動的なんだろう? つまらない、広い視点からみれば、何であれこの世の中で起こる出来事は無益で、虚無的でさえあるように思う。だったらなぜ人は、その中で何かをしようとし、そして絶えず何らかの感情を抱くのか。それは一体何のためなのか、一つの本能、抱かざるを得ない欲望のようなものなのか。でも、結局人は何かを感じざるを得ず、何かを証明せざるを得ず、そうして生きざるを得ないだろう。本当の悲しみは、虚無に向かって自分をひた走らせる感情にある。でもこれも、僕たちの本質から分かちがたいものだ。そのような意味では、人は自死を望むからこそ生きて、そして強い感情を持つこともできる。これは本当に解けない謎だと思う。永遠にこのプロセスの中にいると言ってもいい。どこまで行っても、すべては虚無であり、また虚無ではない。