何か、木の板のようなものに捕まって、

僕は海の波に飲まれている

ここはどれほど沖なのか

こうしていることは危険なのか、そうでないのかわからない

板の浮力で浮き上がり、空と海をみる

そしてまた真っ暗なものの中に沈んでいく



太陽の光が斜めに差し込む部屋で

黒いかたまりと出会う

そのかたまりは僕に

小さい頃に聞いた何かのおとぎ話を思い出させる

何の話というのじゃなく、ただ何となく薄暗くて

物悲しくて、懐かしい

そこに向けて重力が働くように

黒いかたまりはそこにいて

僕はここでそれに出会うべきではないと思うのだけど

それでもどこか

嬉しいと感じている



身体がばらばらになる

爆笑

静かにしろ

誰かが走っていく