神様が知らない言葉で言う。xxxxxxxxxと。その声はぶつぶつとして聞きとれない。でも僕はそれが本当に懐かしくて、それが僕が本当にほしかったのものだとわかる。それを聞くまではそのことについて、まるで忘れていたし、知りもしなかったのだけれど、その不鮮明な言葉で呼びかけられたとき、まさにそれが僕が求めていたもののすべてだとわかる。それによってすべての謎が解けるのだと、そしてすべてが証明されるのだとわかる。それを僕はなんと呼ぶべきかわからない。暖かい雨のようであり、人通りのない夜の車道のようでもある。

 

  それは巨大なジャンボジェットのようなものだった。みんなが積み荷をそこへ持ってゆき、まるでノアの箱船と言ったところだ。一人一人に会うことができたわけではないが、僕がこれまで見知った人たちはみんな、ここにいたのだろうと思う。これから僕たちは二度と戻らない旅へと出かけていくのだが、少しも寂しさや不安などはなく、ただ未来への純粋にわくわくとした気持ちしかないのだった。こんなにも希望だけを感じたことなど、これまで生きてきた中で誰も経験したことがないような感情で、それゆえに非現実的であり、怖いくらいだった。でも、その怖さは不安とは違っていた。僕たちは救われたのだ、と思った。それがどういう意味なのかは、わからなかったが。これまでにあったすべてのことが今では素晴らしく思え、今、何一つこの世界に欠けたものはない。