10月30日(火)の自動筆記

空間の吐瀉物。僕は夜に斧を振り下ろす。白い仮面が笑う。空に風船が飛んでいく。大雨が降り、僕はバス停の屋根の下にいる。誰かが僕の右ポケットに手を突っ込み、財布を盗んでいった。ガラス越しに二人の男が喋っているのがみえた。二人とも長いコートをきて、帽子を被っていた。一方が一方のタバコを吸うのを手伝った。白い霧がすごい速さで右から左へ流れていく。画鋲を踏んだが靴底が厚かったので、刺さったまま長いこと歩いてきた。乾燥して不思議な形にひびわれた表面。テーブルの上のコーヒー。眠たくなるような照明。幾何学模様の絨毯はどぎつい色にみえた。真っ暗闇で沼の中をこっちへ向かって進んでくる男。その男の体が沼をかき分ける音が聞こえる。男は壁の中にいて、普通ではない仕方で僕たちは話すことになる。あと四、五分でくる何かを待っている。僕は時計をみる。空では鳥が舞っている。めざまし時計の音。