10月17日(水)の自動筆記

旅先の日本邸宅はとてもひっそりしていた
 
強くて白い、温かい光に照らされて、一人の女が裸で寝ている
 
誰もいない公園のバスケットゴール
 
運動会の喧騒で、まだ背の低い僕は白い運動着を着た子供たちに紛れて何もみえない。砂埃が風をにごらせている。拡声器は聞きとれないような荒さで、気が遠くなるような音の幕を一帯に下ろしている。太陽が眩しくて、僕は雲がない空にぽつんと浮いた太陽をみた。その時の不思議な気持ち。
 
教室では机の上に麻婆ナスが置いてあった。みんな帰ってしまって僕だけのためにその料理は残されていた。僕はその皿から気持ち悪いオーラを感じた。しかし僕は何ら抵抗なくそれをスプーンですくい、米といっしょに口に含んだ。料理は冷めていたが、十分に食べられた。少し砂っぽく、生臭く感じたが…。
家に帰ると母がパンを作っていた。僕は夕暮れの赤い光が入ってくる居間のテーブルで、四則計算をたくさんやった。産まれてまだ日が浅い僕の弟は、揺り籠の中にいた。起きているのか寝ているのかは、ここからではわからない。
 
そんなことを大人になって夜、年上の煙草を吸う友だちと壁にもたれて話しているときに、思い出したような気がした。