青だけの世界

この世の一切のものが仮に青かったとしたら、 青の中の青のニュアンスの中に、 すべてを認識しなければならないし、 それが普通のことになるはずだ。 青い色の中の青の中に、 ソファがあり、テーブルがあり、 カーテンがあり、冷蔵庫があり、 料理があり、犬…

青だけの世界

この世の一切のものが仮に青かったとしたら、 青の中の青のニュアンスの中に、 すべてを認識しなければならなにし、 それが普通のことになるはずだ。 青い色の中の青の中に、 ソファがあり、テーブルがあり、 カーテンがあり、冷蔵庫があり、 料理があり、犬…

夏の朝

どうすればいいのだろうと、問う。 悩んでいることなど何もないのに、 馬鹿に八方塞がりの夢をみる。 この日ざしが意味するものは何だ? どうも、あまりに幸せすぎるようじゃないか、 何かを忘れてはいないのか? 冷たいものを飲むと胃が冷えるが、 炭酸なん…

最後の審判

やがて私は神的なものの前に立ち、最後の審判を受ける。そして、このように尋ねられる。「お前は、これまで通過した すべての思考、すベての時間を通じて、 そのようにあれ、と考えてきたか。 お前の良心に即して、 これらのことは何だったのか。 それは、良…

色や形

色があったり、形があったりするのは、物事の表面においてだけだ。ここに手があるとして、この物質としての手の色や形は、この皮膚の表面にしかない。その内側はどうなっているか? おそらく皮膚の表面にごく近い、ほんの薄い肌色の繊維の部分だけはうっすら…

顕と密

日常生活にも、顕と密とがある。普段話しているのは、すべて顕の話。しかし、あらゆる実践には、そのバックグラウンドの意味としての、密が存在する。これは、自分自身、然るべきときにしか語ることができない。また、然るべき相手にしか話すことができない…

宗教

人間は、生きている以上は何かを信じているのである。 特定の宗教を、信じているとか、無宗教であるとか、そういう問題は存在しない。喩えて言うなら、 人間は生きる以上は何かを食べて生きるしかなく、 個々人によって、 「何をどのように食べているか」 と…

あの頃の自分は幸せだったんだ、と後になって思うのではないか。

「きてよかったね」と彼女は言った。

この悲惨なことが起きた現実の、前に時間を戻してほしい。

心は御しがたいもので、 恐れるがままに放っておけば、 壁のないところに壁を見出し、 苦のないところに苦を投影する。そうした思い込みを取り外すのは、 こびり着いた積年の汚れを落とすように難しい。 が、別に無理ということはない。困難に思えることのほ…

汚泥の中に生きる人、 その苦しみはあなたのせいではない。あなたがあなたを、あなた自身だと思っている、そんなわけもなく、 私が私を、私自身だと思っているわけも、 本当はないのだろう。風に吹かれる木の枝葉のように、 散る花のように、 ただそうあるだ…

愛する(もの)。この道端のちらしを吹いて追いやる、 その風で(あなた)はある。穏やかに吹き回り、 無のように(私)に微笑みかける。馬鹿に面白い。この世の根本を成す、 聖なるものと(あなた)は成り代わり、 邪悪に聞こえる言葉で、 (すでに知られた…

肉体がない

僕は肉体を失い、心だけになって歩く。認識が開けているので、 例えばこの花であることがどのようなことか、 この花の香りであることがどのようなことか、 僕には分かる。

一切の認識を生み出す源泉として、心の機能がある。この音を聴き、この匂いを嗅ぎ、この光を見るのは、みなこの心の機能の発現によってなる。このことを知ることそのものは、まだ重要な認識とは言えない。自分の目によって自分の目を直接に見ることができな…

焼け焦げた跡のついた白い壁少しでも学びを深めていこう

一羽の鳥のように生まれ、一羽の鳥のように生き、一羽の鳥のように跡形もなく消え去る。何万枚の草葉や、何億個の砂粒のように横溢しながら、後には何一つの形跡も留めず、誰の記憶にも残らない。すべてはそうした美しいものだ、ということ。

人は弱いので、何か真であるものを摑んでも、日々の中ですぐにそれを離れ、忘れてしまい、また同じように迷い始める。 だから、印であるものが必要になる。聖なるもの発現は、限界のある人間には常に導きの明かりになり、溺れる身を助ける。 思い起こし、念…

花をのみ待つらん人に山里の雪間の草の春を見せばや自分の体や心をよりよく用いるために何をすればいいか。これを突きつめて行くことを日々の努力とする。

時間とはそれ自体が美しい、霊妙な現象である。 心身がよく整えられ、よく浄化されていればいるほど、 それを深く感じることができる。 よく整えられた、小さなものこそがいい。

人はどこからどこへ向かっていくのか人はどれほど長く旅をするのか例えばこうして座席で向き合って話している時間は一瞬でも どれほど長い時間を僕たちは感じているか

作品

迷い、立ちすくむ自分自身の自画像ではなく、エゴによる一点の曇りもない、誰かのための小さな灯りでありたい。

夜中に、耳鳴りで目が覚める。 すぐ隣では、母と弟たちが死んだように寝ている。みんな息もしていないようにみえる。 障子の隙間の窓の向こうに、バッティングセンターの白い照明がみえる。

黄金のせせらぎ 青い影悪であるすべての行為が、 そのまま聖であるようなあり様

結局それは寝言のようなことだけど、逆に寝言でないようなことがあるだろうかと思う。今、こうして生きていて、本当にはっきりしていることが、どれだけあるか。砂つぶのように手から滑り落ちていくとは思わないか。別に、それは悪いことではなくて。むしろ…

精神が実体なのではなくて、精神もまた一つの乗り物なのだという意識。 では実体とは何で、何が主なのか?

あばらや

閉ざされた山奥のような空間の中に、一つのあばらやがある。柱も屋根も外壁も、何百年もの歳月によって朽ちた様子で、今にも崩れそうだ。中には誰も住んでいない。もう、とても長い間、この建物には人が立ち入っていないのだろう。 雪が降っていて、それは夜…

夢の中で咲く大輪の青い花 真っ暗なトンネルの中で、遠くに点のように見えていた景色があっという間に拡大され、眩しい緑の山道に出る。それを眺めている間、僕はずっと何かを考えていた。しかし考えているという感じはあるのだが、具体的に何を考えていたわ…

この青い部屋は霊のいる部屋のようだ。気配しかないのだけれど、確かに彼女はそこにいる。僕は金縛りにあったように、動くことができないが、動くことができないことを意識していない。静かに、小さく、燃えている火のことを思う。透明人間のように、気配だ…

この林檎はおいしい。