僕がそれを決める仕方は、一度にそう決めるのではなく、徐々に、積極的ではなく、むしろぐずぐずと崩れる砂の足場のように、あらゆる可能性を失うようにして、ようやく、これっぽっちのものしか残っていない、という仕方で、結局自分がはじめからそこに立っ…

聖なる世界

内省はそれ自体病的な習慣だ。結局、無意識に、意図しないでも、それは生きているうちに死のことを考えるのと同じ。本質的にムダなことであり、少なくとも生きるための行為ではない。 僕はそれが一つのことの現れだと思う。経験にはいいものも悪いものもある…

風船が朝になっても部屋の天井に浮かんでいる。 「目を当てて覗いてみましょう」 シャボン玉を吹いてぶくぶく泡が吹き出す。 耳鳴りがするから眠れない。 雪が降る日は部屋でテレビを見ている。 アニメのピンク色の小さい犬が暗闇の中でこっちへ駆けながら死…

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地面に浅く掘った穴に、足元から水が流れこんでいく。水は渦を巻いて穴の壁を削り、拡がった穴は水で一杯になる。水の隅に半端に空が映る。そしてXX自身の影が映る。夢で見たような景色だと思うと、頭の血が冷たくなるのを感じる。 それは夢ではない。映像も…

雪の結晶 眩しい夜道の光 鍋の中でお湯の沸く 磁石はくっつく 夜の間は死体 夢で風船になった 朝は雨が降る 一杯の人たちが横切っていく 道は封鎖されている 「酔っぱらい」 小さな袋に入っている くわがた ズルをして持って帰った 何か 喉がかわく 風鈴 ペ…

サッカーゴールのある風景。夕暮れに子供たちが遊んでいる。空は真っ赤で、辺りは血のように黒く赤い。みんな自分たちがどこにいるのか、すぐそこにいるのが誰なのか、わからないほど影に溶けている。ある少年がサッカーボールの上に片足をついて立っている…

うがい 改札 電子レンジ 毒きのこ わさび 山道 忘れ物 泣かないで 風船ガム 大きな川 三つの眼 歌がうまい シャワー ダイヤモンド ピクルス 留守番電話

それは人間の魂に関することで 夜中の森のように、密集していて稠密 誰かが助けを欲していて 彼には光が必要 あなたは走り書きのメモ 脚が生えているみたいな隊列 ゆっくり動く黒い球 丸カンの中のスープ

飛び去る蝶を 両手で追いかける その靴音がうるさくて 眠りを覚ます恐いやつ 黄色い雨がっぱを着て 彼は雨の中で口をむすぶ つぼみがぱっと赤くはぜる 誰かが黒板に落書きをしていく 電話が鳴り響く 投げ出された腕 雷鳴 嵐の海の光

何か、木の板のようなものに捕まって、僕は海の波に飲まれているここはどれほど沖なのかこうしていることは危険なのか、そうでないのかわからない板の浮力で浮き上がり、空と海をみる そしてまた真っ暗なものの中に沈んでいく太陽の光が斜めに差し込む部屋で…

電話がかかってきたときから、嫌だった。電話がかかってくると大抵嫌な予感がした。しかし今回のことでは驚いた。なぜ◯◯がくるのか? 「上がってきてください」 と僕は言ったが、正直別にきてほしくなかった。一人でいたい気分だった。 それに、上がってきて…

日記

昨日から久々に長めのものに取りかかってみている。

激流 トースト 乾いた空 嬉しいマスト ピーマン グラタン 濡れた土嫌だな 首 血 詩人 南 風船 山 歌 縞 深夜の交差点 コンビニ 夢か!なんかずっと歩いている 北 地図 ざらざらする子供の頃行ったファミレスみたいな感じというか家に帰る 布団で寝る また明…

雨が降っている。彼は喫茶店にいる。長い時間が経ったな、と思う。 そこは小さな店で、どっしりした椅子に、膝の高さのテーブルがある。席はショーウィンドウに面し、通りを見渡せるが、雨で道は煙り、雲のせいで辺りは薄暗く、雨粒が窓を全体に覆い隠して、…

違う。あなたはそのメッセージを読み違えている、と二人は言う。それはすごく明確なメッセージで、あなたにほとんどすぐにでも、やってくるように伝えている。確かにはっきりとそのようには書かれていないし、読み過ごすのもわからなくはない。でも、その意…

虹色の飛行船。金色の空に飛んでいる。めちゃくちゃ横に長い。きらきらと銀色の光を放っていて、パチンコ屋みたいな音がしそうだけどしない。それは三途の川じゃん、と思う。とにかく横に長すぎる。行ってみたい。居間がなぜか真っ青な色に包まれている。僕…

〔車を運転しながら男は言う〕

〔車を運転しながら男は言う〕 いや、違うんだ。それは違う。間違っている。勘違いみたいなものだ。確かに物事がそういう風に見えることはある。それはよくわかる。しかしそんな風にものが見えること、そしてそれを君がするように捉えることは、割によくある…

苺みたいにぶつぶつの空酔って寝て、夜中に目が醒めると、頭の中で気持ちの悪い映像が、だらだら流れている。人間の肉や内臓、血のぐちゃぐちゃになったもの。それがハンバーグのように捏ねられていたり、湿った土の坂道の上に落ちていたりする。また、四方…

緑色の顔が黒い水面から浮き出ている。その男の顔の口から、紫色の両手が、歯と唇をこじ開けて出てくる。 空には海鳥が飛んでいる。遠くに工場のぼんやりした明かりが見える。

完全なリラックス

完全にすべてがリラックスした状態では本当に何もかもがどうでもよく重要で意味に満ち虚無で輝かしい出かけたいけど出かけたくなく死にたいけど死にたくもないそしてそれは決してネガティブな意味ではない完全な状態だその完全なリラックス状態はいつくるか…

猫しわ患部ゴマ

人がまっさらな感情を抱いて、何かに挑もうとすること、何か別のことをしようとすることは、なぜ感動的なんだろう? つまらない、広い視点からみれば、何であれこの世の中で起こる出来事は無益で、虚無的でさえあるように思う。だったらなぜ人は、その中で何…

僕はそこに出かけていかなければならない。シャワーを浴びて髭を剃り、髪を乾かして、服を身につける。鏡の中の自分の顔を見る。あまり気が進まないな、と思う。しかし、最低限、乗るべき電車の時間のことを思い出す。窓の外は曇っている。家には僕の他に誰…

風呂場にいる僕は湯船に身を横たえている。僕は強く目をつぶり、眠ってしまっているように動かない。窓からは昼時の白い光が射し入っている。僕は立ち上がり、立ったままシャワーを浴びる。僕はこういう体をしているのだな、と思う。体型はがっしりしている…

脂肪内臓ペソ

病院

〔A君がいる病室に私は言って、ベッドの中にいる彼としばらく話す。A君のことは子供の頃から知っていたけど、高校生になって、こんな風に自分が考えていることをまとめて話すのを聞いたのは、初めてだった。〕 ……もし一つの部屋に生まれて、永遠にそこから出…

郵便受けみたいなとこからしわしわの手が出てきて、何かを求めるように虫みたいに動きまくっている。僕は、「昨日、でかい蛇が庭に出る夢をみた。懐中電灯で草むらのそいつを照らした」と書いてある紙を持っていて、それを丸めてその手に渡す。手は満足して…

神様が知らない言葉で言う。xxxxxxxxxと。その声はぶつぶつとして聞きとれない。でも僕はそれが本当に懐かしくて、それが僕が本当にほしかったのものだとわかる。それを聞くまではそのことについて、まるで忘れていたし、知りもしなかったのだけれど、その不…

虹彩。 夢をみる。 世界像。 赤や青。 小さい人。 愛や絶望。 喫茶店。 新聞。 拡大されたイメージ。 シンプルさ。 遠く離れてしまう。 決別。 雪。 雨。 ドア。 家屋の木の匂い。 懐かしい。 コーヒー。 コーヒーを飲む。 暖かい格好をした。 銃殺される映…

逃げろ 逃げるんだ 記憶の深部に流れる、冷たくてきれいで、緑にあふれ、静かなせせらぎを立てる川。そこには釣り人がいて、僕たちは橋の高いところから、そうした人たちがそこにいるのを眺めている。彼らの顔は識別できない。若者もいれば、年老いた人もい…