2017.9.3(土)

こうして一人でいると、自然と何かを書いてみたい気持ちに戻ってくる。 かまってちゃんは本当にすごいな。もう憧れってことさえないな。あまりに好きすぎて。こういう存在が今の時代に生きていて嬉しい。毎回ライブにも行けるし。 本当に、入っちゃってる気…

2017.5.30

布団にいるとき、目の裏でパーっと、赤い網みたいなものとか、色んな形や色がみえること 玄関を出たら陽が眩しくて、妙に懐かしいこと 随分遠くにきたな、と思うこと 風景の裏に灰色の風景が浮かぶこと 彼がバーでビールのタンブラーを持っていて、こっちを…

2016.7.2

□じいさんの家で過ごしたある夕暮れの時刻。夕暮れとは言ってももうすっかり暗い。母が子どものときから使っていた木の机に同じように古い電気スタンドがあって、それはオレンジ色のスタンドで、暖かい色の光を発した。その明かりはまるでマッチを擦って起こ…

2016.7.20

□その中古車屋の敷地を囲ってのぼりが出ていた。のぼりは黄色やピンク色でみんなぱたぱたはためいていた。フロントガラスには値段の紙のプレートが出ていた。曇り空の下でも風が強いと、のぼりはぱたぱたはためいていた。赤い車も黒い車もくすんだ空の下では…

2016.7.12

「今日はとても空が晴れてる」 「雨降ってきた。じめじめする」 「ごめん、ついさっきまでうとうとしてたんだ」 「それにしてもあっつい日だな」 「ホームはこっちでいいのかな。あと何分後に次の列車はくるのかな」 [柱の時刻表を覗き込んで] 「43分と書…

2016.7.11

黒い長い髪の女。干上がった川底のひびわれた土を踏んで歩く。彼女はサンダルを履いている。彼女はスニーカーを履いている。ひびわれた地面からは枝分かれした細い茎のいっぱいに伸びている。飛び散るように咲いた小さな花を彼女は見下ろす。しゃがんで見る…

2016.7.5

□夏だったけれどリビングの窓が開いていると廊下も風が吹き抜けて涼しかった。壁に反射して白い光が洗面所のある廊下へも流れ込んでいる。レースカーテンを膨らませていた風がしっかり留められていない小部屋のドアを吹き飛ばして、金具を打ちつけ大きな音を…

2016.6.30

2016.5.30

□廊下をまっすぐ歩いていくのを教室から出て見ている。左の方へ彼はふっと折れる。見えなくなる。彼が感化院に入ったことがわかる。感化院? 感化院に入ってよかったと思う。 やっぱり彼は錯乱していたのだ。さっきまでの態度は錯乱だったんだな。廊下を出た…

2016.5.25

□天井だけ暗く青く光るゲームコーナーがガラス越しにみえる。アームは右から左に動いていく。マシンの中は明るいからそれは夜空のUFOのように浮き上がっている。お金は入っていない。勝手に動いているだけだ。ガラスの向こうに二人の男の子がいて覗いてい…

・その昔靴を泥だらけにしながらエアガンの打ち合いをしていた広場は、一棟の背の高い塔を除いてその向こうにみえるものは何もなかった。どんよりした空だけみえた。今にも雨が降りそうに空気が湿気ている。その塔は赤かった。くすんだ赤い色だった。その塔…

断片2

夕暮れに花火をして、その四方八方に燃える光、暗闇を伝わってくる焦げついた匂いが、はっきりと鼻孔をとらえる、ひとりでその十年もあとの明け方、椅子に腰かけて今朝の夢を思い出せないでいるとき。 盗まれたその自転車で彼は田んぼの広がる向こうに市民プ…

『想像力』

想像力があるから暗闇がこわくなるんだな、とひとりで夕食を食べた夜十四歳で思った。羽根にほこりのつもった換気扇を止めた。冷蔵庫が鳴っていた。 厚いガラス皿に切られたリンゴが用意してあるのを隣りの居間のひくいテーブルで食べながらテレビをつけた。…

断片

遅い時間まで二人には話すことがいつまでも尽きなかったけれど、何の話をしたか聞かれても答えようがなかった。ただ没頭してタイヤのブランコの上で話していると、夕暮れの気配さえ空から消えたことに気づかなかった。いや、気づかなかったのではなくて、夜…

忘れていたのに思い出したようなこと

家族旅行で誰も予定していなかった変なバス停で待つことになったこと。これは大雨になるぞと父が言って屋根があってよかったねと話していたのに降らなかったこと。でもテレビで今日は記録的な豪雨でしたとホテルの部屋で見たこと。 あ、校庭に白い犬が忍び込…

『盗まれた自転車』

中学二年生の夏の夜、少年は自転車を盗まれる。そのことを彼はまだ知らない。マンション四階の二段ベッドで弟たちと寝息を立てている。不良集団の一人が八の字に蛇行してそのママチャリを漕いで走る。星の輝く河川敷に放り出され、散々に手を尽くして痛めつ…

『後輩』

何かの会みたいなものに出ている。 S先輩がいて、口を利いていなかったが一日思いつめたような顔をしていると思っていた。 会が引けて表の階段から降りていくとき、あんな悩ましそうなSさんに話しかける人がいないなんて、と思う。自分が話を聞いてあげる…