ドアが閉じられ、僕はそこにもう入れない。窓から明かりは見えているが、固く閉ざされた木戸の他には、中に至るどんな入り口もない。僕は走り、建物の周囲をめぐる。闇は段々深くなるようで、自分の手さえ見えなくなる。足元もすっかり溶けて消えていく。僕は涙を流し、頬も手もべたべたに濡れている。耳鳴りがして、サンタの鈴の音が聞こえる。それは楽しかった頃の思い出のようでもあり、死地に向かって僕を迎えにくる何者かの迫る音にも聞こえる。

含意がわからないことわざ

熱いお茶ははやく飲めない。

 

明るい場所では火は目立たない。

 

嘘つきな蛙は紐に括られる。

 

死んだ豚が空にいる日は、夜がはやく来る。

 

隠れるほど見つけられる。

 

恋とは夕暮れのボーリング場に降る雨である。

 

小さな海老を集めても、大きな海老にはならない。

 

海より大きな川はない。

多頭ピカチュウ

白い頭巾をかぶった子供がいて、月の光を浴びながらうつむいている。その顔は真っ暗で見えず、男か女かも分からない。そこはさらさらと水の流れる音がする河原で、その子はしゃがみ込んで音のしない線香花火をしている。

白い林檎。透明な林檎。
white apple, apple with no color

頭蓋骨解体

覗き見

尻尾を隠したそのヘビを見ていると、煩わしいような寂しいような気がした。その白いヘビは真っ青な空の中で急降下していた。


喉が渇いて、頭が痛くて、僕はこめかみを抑えていた。彼女がそばにいた。「ヘビが」と、僕は頭がどろどろする、寝起きの冷たい頭で言おうとした。


頭がざわざわしていて、ついさっきまで、子供に還って夕暮れの公園で他の子どもたちと遊んでいたような気持ちを感じている。


大工が釘を打つ。そういうイメージをどこから受け取ったのかもわからない。太宰を思い出してその話をする。洗濯物を干す。


機械みたいなもの。長い、ぐねぐねとうねったベルトコンベア状の装置。パカパカと被せるような動きをするマシンがある。


もう寝る時間を過ぎてしまっているのに、眠れないと言って、枕を持って下の階へ降りてくる少年。


「まるでヘッドホンをつけて一人で踊ってるみたいだな」 
(会場笑)


(整然と並んだ無機質な建築の群れ。魚の大群)


長いこと公園で喋っていると、気がついたら座ってる脚が痺れていた。


夜中の街で、巨大な電話で話し込んでいる男がいる。その電話は電気クラゲのように発光していた。それは、この世の外と交信するための装置なのだろうと思った。